大学進学を考える際に一番重要なことは、「専門能力を身につけること」です。中国・日本・アメリカに限らず「語学力」を身につけるための大学選択ではなく、キャリア(職業・人生)につながる学部のある大学を選択することが必要です。ここでは、主に高校生のご家庭に対して、大学選択のアドバイス・帰国生大学入試について紹介します。
日本の大学への帰国生入試について
- Q: 大学帰国生入試とは何ですか?
- 海外の学校で学んだ生徒の国際性・語学力を魅力に感じる大学が、通常の入試(推薦・一般)に加えて、海外からの帰国生を対象とした特別入試を実施します。これが「帰国生入試」と呼ばれるものです。
- Q: 帰国生入試を実施している大学はどのくらいありますか?
- 全国の国公私立大のほとんどが実施していると言っても良いでしょう。ただし、各大学・学部によって帰国生入試の受験資格(条件)が異なるため、注意が必要です。
- Q: 帰国生入試の受験にはどのような条件がありますか?
- 海外での滞在期間を定めている大学がほとんどです。1年~3年以上と、大学によって異なります。また、海外滞在中に統一試験(SAT・TOEFLなど)を受験し、スコアの提出を求める大学もありますので、受験学年になる前に、早い時期から情報収集ならびに準備が必要となります。
- Q: 帰国生入試はどんな試験科目がありますか?
- 日本の一般的な試験よりも少なくなります。大学・学部によって異なりますが、特徴としては「小論文」を課す大学が多く、日本の国語力・表現力が必要となります。また、英語では日本語訳を課す大学もありますので、然るべき対策が必要となります。
- Q: アメリカなどに比べ、中国からの帰国生入試を受けるのは不利ですか?
- 不利ではありません。たしかに帰国生入試を受ける生徒の多くはアメリカなど英語圏の現地校・インターナショナル校出身者が多いため、英語力だけをみると厳しいと感じるかもしれません。しかし、学校での学習をしっかりこなし高成績を維持し、TOEFL対策、帰国生入試対策を早い時期から行っている生徒は、難関大学に合格しています。
- Q: 中国滞在中に必要なことはありますか?
- まず、「学校の成績」をしっかり取っておきましょう。すべての大学で参考資料とします。最初から好成績をとることは困難です。大学側も、最終的に「どれだけ成績が伸びたか」を見ますので、最後まであきらめずに努力してください。
- TOEFL対策については、学校によって補習をしていますし、語学学校、学習塾でも対策講座を設けています。家庭教師も有効でしょう。受験学年になる前からチャレンジしていきましょう。
- 小論文については、まず日頃から日中の政治・経済・文化について関心を持つようにしましょう。実際の書き方については、補習を行っている学校・学習塾があります。夏休みなどの一時帰国の際に、帰国生入試専門予備校に通うことも効果があるでしょう。
- Q: もう少し詳しく質問・相談したい場合はどうしたらよいですか?
- お気軽に下記までご連絡ください。ご家庭の状況をヒアリングし、大学情報のご提供、語学学校・学習塾・家庭教師のご案内を差し上げます。
中国の大学へ進学
- Q: 中国の大学へ進学する場合、どのような扱いになりますか?
- 日本国籍である場合、外国人として「短期語学留学」または「4年制本科留学」になります。「短期留学」は語学(中国語)中心だと理解してください。「本科留学」は4年制大学のいずれかの学部に所属することになります。大学によって、学部受け入れ人数が定められています。
- Q: 「本科」にはどのような生徒が進学していますか?
- 大学の講義を中国語で理解する必要がありますので、中国語力は必須です。また、試験科目は中国の高校での学習内容が含まれていますので、現地校(国際部)での教育を受けておく必要があるでしょう。さらに、年々難しさが増している有名大学の場合は、しっかりとした入試対策を行わなくてはなりません。
- 現地校にお通いの生徒が最も「本科」進学に近い存在だと言えます。日本の大学への帰国生入試も視野に入れながら、本人の適性・可能性・ご家庭の方針について早い時期から話し合いを重ねておきましょう。